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『年間500冊本を読む』とはなにか?

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『年に500冊本を読みます。』『月に100冊本を読みます!』といった読書系マッチョ発言はよく聴かれますが、それはいったいどれくらいの量なのでしょう?
 
だいたいこれ、基準が不明すぎます。
  • 本一冊あたりのページ数・文字量が計測されていない。
  • 本には流し読み・精読・乱読(拾い読み)など読み方があり、入手できた情報判断量に差があり過ぎ。
  • 初読・再読区別なし。 良い本だから何度も読んだ場合は?
  • いうまでもなく難解な文章、平易な文体との『一冊の格差』が論じられない。
『毎月100冊本を買っています!』ならわかります。買ってつまみ読みして積んでいるだけでも、出版関係者が喜ぶリップサービスとして効果があります。なので、読み方について詳しく問われる必要性もないのでしょう。
 
しかし、たとえば1年は365日ですから、1日2冊以上コミックスを読んでいる一般市民でさえ、年700冊以上読んでいることになります。 いや少年ジャンプとマガジン、サンデー、ヤンジャンヤンマガ、を毎号チェックしている人はそれだけで年+250冊いきます。
というか、毎日学校で教科書数冊を部分読みし続けている学生は、解釈によっては(夏休み・冬休みなど差し引いても)年300日×4冊は固いでしょうから、年間約1200冊。月平均して100冊は中学・高校レベル??
 
で、なんでこんなことを細かく突っ込むのかというと、私はブログ記事やメルマガ、ネットで公開されている論文・企業向けPDF書類資料など、書籍以外の活字も好んで読むので、『本一冊』の概念がもはや完全に不明瞭なんです。書籍化されるような充分にアーカイブされたブログは、本数冊分の情報量がありますし。(※携帯メール小説は、一通一冊換算でOK??)
 
「いや、私は紙の大手新聞5紙や雑誌などは読書量にカウントしていませんよ。」という知的マッチョの方もおられるかもしれません。が、「知識や情報を入手し、どう考察し智慧を磨くか?」という読書本来の目的に対して、あまりもザルな単位といえます。参考になるようでほぼなっていないと言えるくらいに。ダイエットで言うならcal換算、パイロットで言うなら飛行時間に相当するような、信頼に足る定量的な指標のように扱われてよいものなのでしょうか?
 
それとは全く別に、『活字中毒』という捉え方も成立します。知を磨くとかスキルアップ目的にではなく、単に字を浴びるように視て、脳に快楽を発生させるための行為なら、細かい定量的な判断は優先されないのかもしれません。とりあえず浴びていれば良いのですから。冊数ではなく時間のほうが医学的に信頼される単位になるかもしれません。
 
というわけで、読書はせめて字数で量られるようになってくれないかなぁ(※電子書籍ならそういうのも計測可能になってくるでしょうねぇ)。…というか俺は、月何冊分の本を読んでいるのに相当するのかまったくわからなぃ…、というお話。
 
読書の技法
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