あしはたはてな。

私が死んで、生まれ変わるまで残っていてほしいログ。

どうか僕に本物を視せてください。

こんなご批判もあるようですが、
【「人体の不思議展」の終了と告発】
http://redfox2667.blog111.fc2.com/blog-entry-249.html

僕が当時、仕事にもつかず、ただひたすら家でスケッチブックに黙々とデッサンを描きためていた頃、僕はふと今まで一度も本物の人間の筋肉を観察したことがないことに気づきました。いつも皮膚の上から「コレはきっとこういう形の筋肉なんだろう。」と想像して描いていたのです。

美術の教科書の見本はあくまでも誰かが描いたクロッキーです。また本物の写真があっても、それらはグロさを嫌って大抵モノクロ写真で撮影され、場合によっては陰影がはっきりと撮影できるように墨が塗られて撮影されてたりします。
つまり本当の人体の筋肉や健の内部構造を自分の目で観察する方法ってないんです。
医大や美大で解剖学を専攻しない限りは。

だから一般に人体を展示する展示会はありがたくてなりません。
しかもこの展示会は旧来のホルマリンで変色した瓶詰め人体ではなく、プラスチック樹脂を染み込ませて保存したかなり生の筋肉に近い素晴らしい見本です。

どれほど貴重な経験か計り知れません。
はじめて人間の『中の人』を見たとき、「筋肉が小さい。」と感じました。筋骨隆々なアスリートのクロッキーばかり描いていたので、実際の50〜60歳ほど?の中年の筋肉をイメージ出来ていなかったのです。
会場には美学生以外にも看護師さんや医療関係者が多かったように思います。
職業柄関わりのある人体の知識を生で深めるために、どれほど社会全体にとって有益だったかは私一人だけでは到底推し量れません。
私は自ら遺体を提供してくれた人に心からの尊敬と感謝の念を今でも持っています。
本当にありがとうございました。

だから、法的な手続きが充分でなかったとか、実は生前に同意が得られていなかった等の場合を除き、この展示行為そのものを違法にしないでください。

レオナルド・ダ・ヴィンチは自ら人体を腑分けして精巧なデッサンを作成しました。私にはそれが出来ません。しかしそれは私がダ・ヴィンチより劣っていていい理由にはなりません。

どうか隠すことによって人間の知を暗くさせないでください。一般に広く開放してください。それくらい重要で深刻で絶対的な差なんです。本物を知るという行為は。

なんならば、私の身体を死後展示して医学とアートと科学の発展のため、ぜひ広く一般の人の為に役立ててください。

合法的に。

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